10 水元
蒸している間に、糊や糠粉で汚れた台を清掃し、洗い桶に水をためておきます。布が泳ぐくらの大きさのシンクが2〜3台あるのが理想ですが、準備がなかなか難しいのが現実。なるべく大きな洗い桶2つと、布の白場汚染防止剤が大量にあれば何とかなります。洗う作業のことを水元(ミズモト)と言います。
洗うときは、振り洗いと言って、布端などを持ちながら腕を大きく振り、水面に打ち付けるようにして洗います。恩師の言葉を借りれば、「狂ったように踊り洗う」感じです。絶対にしてはいけないのは、糊のついている部分を持ったり、擦り洗いすることです。洗う過程で落ちていく余分な糊にはまだ染料が残っており、布に強い力で触れると布を汚染してしまいます。表面の糊が落ち切るまで、こまめに水を取り替えながら、とにかく振り洗いをします。糊が落ちた後も水が透明な状態を保つようになるまで洗い続け、繊維に残った余剰染料を落とします。